今年4月ごろから、新しいシェーバーを使いはじめた。
Panasonic(パナソニック) ES-SV61 LAMDASH(ラムダッシュ)
これまで使ってきたのと同じ水洗い可能な充電式電気カミソリ。だが違うのは、入浴やシャワーを浴びながら剃れるよう防水や安全性が強化されたらしく、「お風呂シェーバー」が強くプロモーションされた製品。KAT-TUN亀梨和也が起用されたCMやポスターが有名。
これまでは、洗面台でシェーバーを使うとシンクの周辺にヒゲのかすが飛び散って汚れ、その度にそうじしていたのが面倒だった。
浴室内でのシェービングにしてから、ヒゲかすを気にせず洗い流すだけならのでラクチン。深剃りしようとして強く当てると血が出ることが多いのは難点だったが、わりと気に入って使っていた。
7月ごろ、いつの間にか液晶の表示がおかしくなっていた。
使用秒数や充電残量、刃点検催促マークなどが全表示されたり、数字が欠けていたり。
でも使用には問題ないので、そのまま使っていた。
最近連れ合いが在宅になったので、平日昼間に問い合わせ窓口に電話をかけて聞いてもらった。すると、たらいまわしにされた挙句、修正受付に持ってこいとのこと。
モノが壊れるのはできれば避けたいが100%でないのは仕方ない。保証期間が過ぎたら有償になるのも仕方ない。製品価格に含まれる品質維持やサポートのコストを考えればそのくらいが妥当と思う。
最近体験した例では、マイクロソフトのARCマウスが不調だったのでサポートに電話したら、電話口の指示でドライバや電池を確認したり、別のPCで試したりした。パッケージと製造番号の確認はデジカメ画像をメール添付で送ってすぐに確認してくれた。それでその場で交換と判断されて、古いほうはそのまま使うなり処分するなり任せると言われた。2日で新品が送られてきた。その判断の早さと発送までの手際良さに、MSのサポート窓口の質を感じた。と同時に製品サポートにかけるコストの考え方が理解できた。
だから、サポートセンターなり電話窓口を用意するからには、電話口で何かを確認したり判断をするものだと当然思っていた。
土曜日もパナの問い合わせ窓口がやっているのを知って、オレが電話してみた。すると、生活家電の修理窓口の電話番号(大阪)を教えられた。生活家電の修理窓口では、住所から近隣の窓口の電話番号と住所を教えられた。パナソニックテクニカルサービスという別会社の東京西サービスセンター。
ここまでは連れ合いと同じ。東京西に電話すると、持ってきてくださいと。持って行ったらその場で直るのかとゴネてみると、埼玉の工場に送ってそこで判断して修理する仕組みなのでどうにもならないという。
つまりパナソニックの仕組みでは、修理なのか交換なのかを判断する人が、問い合わせ窓口からずっとずっと遠いところにいるのだ。
これは、松下が系列電器店(街の電器屋さん)を販売修理の窓口としてきたことや、修理専門の子会社があることに関係があると思う。修理専門子会社があるからそこに回さざるをえないし、新品交換したほうが早いという考えには向かわない。
また、製品メーカー(パナソニック電工?)、発売元(パナソニック?)、問い合わせ窓口(パナソニック)、修理電話受付(パナソニック電工)、修理(パナソニックテクニカルサービス)がそれぞれ別会社であることも影響していると思う。
オレの買い物は通販が多く、評判などから商品を決めたら一番安いものを探して買う。だから修理やサポートは購入元ではなく、メーカーを頼ることになる。しかし、パナソニックのように巨大グループの場合はそう簡単ではないことに気づいた。なぜならメーカーにサポートを頼る仕組みになっておらず、別会社に回されるのだ。
で、結局、釈然としないまま東京西サービスセンターに預けて、1週間後に電話があった。修理が終わったので受け取りに来てくださいと。これもまたホスピタリティがない。
この梱包は埼玉の工場から東京西に送るためのもので、客向けではない。東京西ではなく、客に直送すればいいのに。
つーか、シェーバーは毎日使うものなのに、1週間も待たせてどうする。
修理の内容を確認すると、回路、モーター、蓄電池、本体ケースを交換している。
念のためによく見てみると、内刃や外刃は汚れていたので元のまま。つまり丸ごと新品交換ではないことがわかる。
で、液晶の表示は問題なく、元通りになっていた。
ここまでの配送、点検、交換作業、パーツのコストから、どう考えても新品交換のほうが安いと思うのだが。客に持ってこさせるコスト(ネガティブ感情)も含めてトータルに考えれば、完全にマイナスと思う。
画像をメール添付で送らせて電話で状況判断して新品を発送すれば、かかる人件費も客の感情も、解決に至るまでに双方が費やす時間も含めたトータルコストは絶対安く済む。製品サポートにかけるコストの考え方がおかしいと感じた。
サービスセンターの電話対応が格別なものだったかといえばそうではない。せっかく専門の別会社にしているのに意味がない。大企業グループは多くの従業員の雇用を守るために、高いコストを払っていると考えることもできる。
わかったこと:
パナのサポートは無駄が多い仕組みになっている